あざ
あざは一般的によく知られていますが、実は多くの種類があります。
患者さんのなかには「あざ程度」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、なかには消えにくいあざもあり、治療が必要なケースもあります。
そこで、ここではあざについて正しい知識を理解していただければと思います。
あざの種類や治療方法について、具体的に解説します。
また、保険適応のレーザー治療についても解説しますので、あざで悩まれている方はぜひ最後までお読みください。
あざの種類
「あざ」とひとえに言っても種類は様々です。
以下で7種類のあざの特徴について解説します。
赤アザ・単純性血管腫
単純性血管腫は、生まれつき顔や体にある赤い色素沈着です。
肌表面近くの毛細血管が広がることで発生します。
多くは先天性で、体の中心部にあるものは薄くなる傾向がありますが、完全には消えません。
年齢とともに色が濃くなったり、盛り上がったりすることもあります。
赤アザ・苺状血管腫
苺状血管腫は赤アザの一種で、生後すぐか数週以内に発症する未熟な毛細血管の増殖です。
表面が苺状に赤く盛り上がり、急速に成長した後、数年かけて退縮します。
顔に多く見られ、大きさは様々です。
通常は自然治癒し、7歳までに75%が消失しますが、機能障害を引き起こす場合は積極的な治療が必要です。
赤アザ・海綿状血管腫
海綿状血管腫は主に子供の頃に発見される皮膚の隆起で、押すと軟らかく、血液を含んでいます。
表面に他の血管腫が合併することもあり、苺状血管腫との鑑別が難しい場合があります。
苺状血管腫は成長とともに縮小することがありますが、海綿状血管腫は縮小しません。
成人になってから発見されることもあります。
青アザ・太田母斑
太田母斑は、主に顔面に現れる青灰色から茶褐色の先天性または後天性の色素斑です。
眼瞼や頬、前額などに好発し、まれに首や肩にも見られます。
女性に多く、生後すぐか思春期以降に発症します。
通常は片側性ですが、両側性もあります。
皮膚深部の色素細胞によるもので、目の下のクマと間違われることもある日本人に多いシミの一種です。
異所性蒙古斑
蒙古斑は、生後すぐにお尻や背中下部に現れる青いシミで、日本人のほぼ全員に見られます。
通常5、6歳までに自然消失するため、問題にはなりません。
まれに異所性蒙古斑として他の部位に現れることもありますが、その場合、治療することが多いです。
広範囲に出ることもあるので、治療に時間がかかることもあります。
茶アザ・扁平母斑
扁平母斑は、皮膚から盛り上がらない平らな茶色の色素斑です。
主に生まれつきですが、思春期以降に発生することもあります。
大きさは様々で、体のどこにでも現れます。
通常、悪性化の心配はありません。
ミルクコーヒー色からカフェオレ斑とも呼ばれ、シミと間違われることもあります。
表皮母斑
表皮母斑は、出生時または幼少期から見られる表皮の過形成によるあざです。
自然消退せず、体の成長に伴い大きくなります。
稀に思春期以降、良性または悪性の腫瘤が発生することがあります。
また、中枢神経系や骨格系の異常を伴う場合は表皮母斑症候群と呼ばれます。
あざができる主な原因
あざは様々な要因で発生し、その種類によって原因や特徴が異なります。
打撲による内出血のあざは通常、時間とともに消えますが、深い損傷や持病がある場合は残りやすくなります。
遺伝や皮膚の局所的変化によるあざは自然に消えにくい傾向があります。
青あざは皮膚深部の色素細胞の増殖が、茶あざは表皮のメラニン色素の過剰な増加が原因です。
生まれつきの大きなあざは、他の器官にも影響を及ぼす可能性があり、母斑症と呼ばれます。
これは遺伝子や染色体の異常が関係していると考えられています。
あざの種類によって治療法が異なるため、自己判断でのケアは避け、気になることがあれば医師に相談しましょう。
あざの基本的な症状
あざは皮膚の一部に現れる色や形の変化で、多くの場合は無害です。
痛みがなく、美容的な問題や将来的ながん化のリスクが低ければ、治療せずに経過観察することも可能です。
しかし、以下の場合は注意が必要です。
- 生まれつきの大きな母斑や複数の母斑:母斑症の可能性がある
- 黒あざ:悪性黒色腫(メラノーマ)という皮膚がんである可能性がある
- 赤あざが隆起したり出血したりする:有棘細胞癌の可能性がある
当てはまる症状がある場合は、早い段階で専門医に診てもらいましょう。
あざを放置するリスク
あざを放置しても、健康的な問題はありません。
しかし、一部のあざは放置することで色素が深く定着してしまい、治療が難しくなる場合があります。
色素が深くなればなるほど目立ちやすくなってしまうので、見た目的問題は発生してしまうでしょう。
ですから、健康的に問題がないとしても、できるだけ早く対応をすることをおすすめします。
あざの治療方法
あざの治療法は、主にレーザー治療と内服薬になります。
以下では、当グループで可能な治療方法について解説します。
レーザー治療
レーザー治療では、以下の2つで対応可能です。
- Qスイッチルビーレーザー
- ピコシュア
いりなか院では、ピコシュアで太田母斑・異所性蒙古斑・外傷性色素沈着への照射が可能です。
いずれも保険適応で治療できます。(保険適応がないあざについては自費診療になります)
内服薬
苺状血管腫への治療方法として「ヘマンジオルシロップⓇ」による治療を行うことがあります。
ピコシュアは保険適応であざ治療が可能
あざの治療は、レーザー治療または内服薬になります。
この2つの選択で、「レーザー治療だと自費治療になる」と心配される方もいらっしゃいます。
しかし、当院のピコシュアは「太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着」に保険適応で対応できます。
以下ではピコシュアについて解説しますので、ぜひあざでお悩みの方はピコシュアをご検討ください。
ピコシュアとは?
ピコシュアは、米国サイノシュア社が開発したな医療用レーザー機器です。
世界初のピコ秒レーザーを搭載し、「シミ・シワ・ニキビ跡・タトゥー除去」など、幅広い肌トラブルに効果を発揮します。
最大の特徴は、従来のナノ秒(10億分の1秒)レーザーと比べて、さらに1000倍速いピコ秒(1兆分の1秒)での照射が可能なことです。
この超短時間照射により、肌への熱ダメージを最小限に抑えながら、高い治療効果を実現します。
メラニン色素への吸光度が他のピコレーザーの3倍高く、低いエネルギーでも効果的な治療が可能です。
また、施術後すぐにメイクができ、絆創膏も不要なため、日常生活への影響が少ないのも特徴です。
ピコシュアのメリット
ピコシュアの最大のメリットは、短時間で効果的な治療が可能な点です。
従来のレーザー治療と比べて、肌への熱ダメージが少なく、回復が早いため、施術翌日からメイクが可能です。
また、衝撃波によって色素を破壊する仕組みのため、熱作用による炎症後の色素沈着が起こりにくいのも特徴です。
これにより、治療後の肌トラブルのリスクを最小限に抑えられます。
複数回の治療が必要な場合でも、毎回の痛みが比較的軽度であり、患者さんの負担が少ないです。
ピコシュアのデメリット
ピコシュアは、導入コストや維持費が比較的高いので、施術可能な医療機関が限られています。
また、あざ治療であれば高い効果に期待できますが、美白やハリ・ツヤの改善を主目的とする方には向いていません。
ピコシュアについては、以下の記事も参考にしてください。
ピコシュアと他ピコレーザーの違いは?メリット・デメリットも解説
ピコシュア治療の注意点
ピコシュアの施術を受ける場合には、以下の注意点をご確認ください。
- 日焼けに注意してください。照射部位は一時的にメラニンを生成しやすくなるので、色素沈着を起こしやすくなります。
- 特定の既往歴のある方は施術を受けられない場合があります。
- 健康状態によって施術を受けられない場合があります。
- 一部の薬剤を使用中の場合は治療を受けられない場合があります。
詳しくはカウンセリングでお伝えしますので、一度クリニックまでお越しください。
保険適応外となるあざの種類
保険適応外となるあざは、各院のレーザーによって異なります。
たとえば、当院のピコシュアでは「太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着」が保険適応外です。
しかし、同グループの「あらたまばし皮フ科ビューティークリニック」で使用しているルビーレーザーであれば、「太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着、扁平母斑」のあざを保険適応で対応できます。
このように、院で使用する機器によって異なりますので、まずはご自身のあざが保険適応かどうかを確認しておくと良いでしょう。
あざでお悩みの方は一度カウンセリングにお越しください
あざで悩まれている方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。
あざの種類によっては、保険適応のピコシュアで対応できます。
もしピコシュアで保険適応外となるあざの場合は、同グループの「あらたまばし皮フ科ビューティークリニック」をご紹介しますので、どんなあざでも一度ご相談ください。