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鉄欠乏で肝斑になる?!また、謎が深まった肝斑…

[2020.02.25]

こんにちは(^-^)
週末は甲子園で開業されている栗木先生による栄養セミナー「皮膚科医が語る栄養療法」に参加してきました。

甲子園栗木皮膚科クリニック 栗木 安弘先生

とても分かりやすく興味深い講義でした。その中で一番興味深かったのは肝斑は鉄欠乏で起こるとおっしゃった点です。美容に取り組む私にとって聞き逃せない情報でしたので、さっそく文献検索してみました!!

・・・出てきたのはイラン大学の研究です。血清鉄とTIBC(total iron biding capacity)、フェリチンを肝斑のある人とない人に分けて測定しました。結果、血清鉄は肝斑ありの群で平均85.42肝斑のない群は平均102.02でした。TIBCはどちらの群も329と差がなくて、フェリチンは肝斑あり群46.71肝斑なし群38.8でした。
この研究によると血清鉄は肝斑ありの群で若干少ないが、大きな差ではないと著者は結論づけています。私が読んだ印象でもフェリチンでは逆転して肝斑ありの群が若干高かったので鉄欠乏が肝斑に関係しているのかは結論が出ませんでした。
今回の論文では結論が出ませんでしたが、肝斑の治療を熱心に行っている私にとっては面白い視点だったのでもっと良い論文があれば読んでみたいと思います。
はっきりしませんでしたが、肝斑のある方はいらいらしやすい方が多い印象はあるので鉄欠乏があってもおかしくないなと直感的に思いましたのでまた研究を続けたいと思います。

鉄ははっきりしなかったですが、私の見た肝斑の患者さんは銅過剰で亜鉛欠乏の方が多い印象です。肝斑はエストロゲン過剰が一つの要因と言われており、なので更年期に濃くなるともいわれています。エストロゲンは銅を引っ張ってくるので血清銅が上がり、亜鉛は銅と逆に動くので下がるということです。
この件に関しては裏づけとなる論文を見つけられないのでまったくエビデンスはないですが、経験的には納得がいきます。なので、ひょっとすると亜鉛を補充すると肝斑が薄くなるのか?!と思って興味深いところです。

また肝斑に対しての謎は深まりましたが、栗木先生のセミナーの後は知多の温泉につかってゆったりした週末でした。栗木先生には私の採血を読んでいただき、禁酒を勧められました(笑)ので、温泉旅館で酒は飲まなかったです。たまには、良いかな。

子どもたちと知多の温泉に(^-^)子どもたち大喜び♪

 

 

 

 

 

 

参考文献 

Serum iron level, ferritin and total iron binding capacity level among nonpregnant women with and without melasma.

文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック院長 祖父江千紗

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