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イソトレチノインの代表的な副作用から服用時の注意点について

[2023.04.25]

ニキビの内服薬として「イソトレチノイン」があります。

イソトレチノインの効果は高いので、ニキビでお悩みの人にはぜひおすすめです。

しかし、内服薬であることから、副作用が気になる人もいるのではないでしょうか。

当院ではかなり多くの方にイソトレチノインを処方してきました。

そこで今回は、イソトレチノインの副作用について解説します。

 

イソトレチノインとは

イソトレチノインは、ビタミンA誘導体の内服薬です。

イソトレチノインの他、「ロアキュテイン」「イソトロイン」「アクネトレント」などと呼ばれます。

皮脂分泌の抑制や毛穴づまりの解消、抗炎症作用など、ニキビ治療に有効的な薬で、欧米ではニキビ治療の薬として、かなりメジャーな薬です。

しかし、2023年現在、日本では未承認であり、自費診療になります。

ニキビの内服薬、イソトレチノインについて

 

イソトレチノインの代表的な副作用

イソトレチノインには、少なからず副作用があります。

主な副作用は、以下のとおりです。

  • 妊娠中の服用で胎児奇形
  • 精神疾患
  • 皮膚や粘膜の乾燥症状
  • 鼻の粘膜が乾燥した場合に生じる軽度の鼻血
  • 頭痛
  • 発疹・痒み
  • 眼瞼炎・結膜炎
  • 筋肉痛や関節痛
  • 肝機能低下
  • 血液中のコレステロール値の上昇
  • 脱毛
  • めまい、吐き気

上記のような副作用があるとされていますが、先述したように欧米ではメジャーな薬なので、必要以上の心配はいりません。

 

ほぼすべての人に出る副作用

イソトレチノインの内服を始めると、ほぼすべての人が唇の皮めくれを経験します。リップクリームやワセリンを塗ることでらくになりますが、内服中はずっと続くことが多いです。

そのほか、皮膚の乾燥も比較的多くの方が感じます。およそ30%程度の方が感じているようです。

その他の副作用は容量依存性に出るものが多く、日本人の多くの人の飲み方ではでることは稀です。

 

イソトレチノインを服用する上での注意点

イソトレチノインは、医師の処方が必要です。

医師の指示の元、注意点を守って服用しなければ、効果がでないどころか副作用を引き起こす可能性があります。

とくに注意するべきポイントを以下で解説するので、イソトレチノインを服用する際は、必ず理解しておきましょう。

 

必ず医師の診察の上で服用する

イソトレチノインは、必ず医師の診察の上で服用してください。

日本では医師の診察の上で処方しますが、実際のところは、個人で輸入してしまう人も一定数いるようです。

個人輸入の場合、適切な成分量であるかも怪しいですし、類似品である可能性もあります。

また、厚生労働省がイソトレチノインの個人輸入をしないように勧告を出しています。

使い方には経験を要する薬なので個人輸入はせずに、必ず医師の診察を受けて服用しましょう。

 

自己判断で服用を止めない

イソトレチノイン服用中は、一時的にニキビが悪化してしまうケースや、軽度の副作用が出るケースもあります。

しかし、自己判断で服用を中止しないでください。

自己判断で服用を中止してしまうと、ニキビの改善効果が見込めません。

気になる副作用が出ている場合は一度医師へ相談してください。

 

併用できない薬に注意

イソトレチノインに限らず、薬には飲み合わせの相性があります。

イソトレチノインと飲み合わせの悪いとされている薬は、以下の5つです。

  • テトラサイクリン系抗生物質(ミノマイシン・ビブラマイシンなど)
  • 抗てんかん薬
  • ステロイド薬
  • ビタミンA
  • セントジョーンズワート

上記を含んだ薬やサプリメントはイソトレチノインとの相性が悪いので、服用を避けましょう。

また、その他にも薬やサプリメントを飲んでいる場合は、一度医師に相談してください。

 

スキンケアを万全に行う

イソトレチノインを服用している期間は、肌の赤みが出やすい状態です。

そのため、日々のスキンケアを万全に行いましょう。

日焼け止めなのど紫外線対策の他、保湿ケアも十分に行ってください。

 

服用期間中とその後6ヶ月間は妊娠・献血をしない

イソトレチノインの服用期間は、絶対に妊娠しないようにしてください。

完璧に避妊を行うようにお願いします。

もし妊娠した場合は、胎児にイソトレチノインの影響で奇形が生じる恐れがあります。

輸血も念のため控えてください。

当院では、服用終了後6カ月間は避妊していただくようにしております。

血中からビタミンAが消えるのは2か月あれば十分なのですが、念のため6か月間の避妊をお願いしています。

 

イソトレチノインが服用できない人

上記で解説したように、イソトレチノインは妊娠中の人は服用できません。

その他にも、以下のような人は、イソトレチノインの服用をしないでください。

  • 妊娠中の方、妊娠の可能性がある方
  • 15歳未満の方
  • ビタミンAでアレルギーを起こしたことのある方
  • パラベン・大豆・ピーナッツアレルギーのある方
  • 上記で紹介した飲み合わせの悪い薬・サプリメントを服用している方
  • 肝機能障害のある方
  • 中性脂肪・コレステロールの高い方
  • うつ病・その他精神疾患で治療中の方

 

イソトレチノインが日本で認可されない理由

イソトレチノインが日本で認可されていないのは、胎児の奇形が高確率で起こるためです。

欧米では一般的に使用されていますが、日本では催奇形性等の重篤な副作用がある薬は、認可されにくくなっています。

しかし、胎児奇形以外の副作用は軽微なものであり、経験のある医師の指示に従って服用すれば、問題ないでしょう。

 

イソトレチノインの適切な飲み方

イソトレチノインの適切な飲み方について解説します。

ただし、あくまで参考程度にしてください。

医師から指示がある場合は、医師の指示に従ってください。

 

内服量

内服量は、初回の場合、20mg/日から開始するケースがほとんどです。

1日、1回、食後に内服します。

その後、様子を見ながら増減していくので、まずは経過を観察します。

 

内服期間

内服期間は、標準6~12カ月程度です。

長期にわたって服用する場合は、一度医師に相談してください。

 

まとめ

今回紹介したように、イソトレチノインには副作用があります。

しかし、医師の指示に従って服用していれば、大きな副作用が起こることはほとんどありません。

そのため、イソトレチノインの服用を検討する際は、今回解説した内容を参考にしながら、医師に相談の上、服用しましょう。

イソトレチノインの処方を希望の方はオンライン診療を行っていますので、以下のページをごらんください

 

 

文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック  院長 祖父江 千紗

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