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毛孔性苔癬

皮膚疾患の一つに、毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)があります。

一見、ニキビなど他の皮膚疾患とも似ていますが、具体的な症状や治療方法は異なります。

以下では、毛孔性苔癬の症状や原因、治療法を解説します。

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)とは

毛孔性苔癬は、毛穴に角化した発疹が多発する皮膚疾患です。

主に二の腕、太もも、背中などに発症し、「さめ肌」とも呼ばれています。

10代方に多くみられ、とくに5~6歳頃から発症し思春期に最も目立つようになります。

痛みやかゆみなどの症状はなく、健康上の問題はありません。

しかし、見た目が気になるため、夏場など肌の露出が増える季節に悩む方が多いです。

毛孔性苔癬ができやすい部位

毛孔性苔癬の多くは二の腕の外側に発症しますが、他の部位にも現れるケースもあります。

主な発症部位は、以下の4部位です。

  • 背中
  • 臀部
  • 太ももの外側

まれなケースとして顔の頬や耳の前にできることもあります。

毛孔性苔癬と間違いやすい皮膚疾患

毛孔性苔癬には、間違いやすい皮膚疾患が3つあります。

それぞれの症状を以下にまとめました。

  主な症状 毛孔性苔癬との違い
ニキビ 触ると痛みがある 細菌による炎症(毛孔性苔癬は毛包の角化))
光線過敏症 発疹、むくみ、水疱、びらん 紫外線の強い時期に症状が出やすい(毛孔性苔癬は季節性なし)
マラセチア毛包炎 背中に2~3mmの赤い発疹 春と夏に症状が出やすい(毛孔性苔癬は季節性なし)
色素沈着 シミやそばかす ざらつきは出ない(毛孔性苔癬はざらつき)

上記はあくまで参考ですので、ご自身の皮膚疾患が分からない場合は、クリニックへご相談ください。

毛孔性苔癬の主な症状

毛孔性苔癬の主な症状は、毛穴に1~3mmほどの小さな発疹が多数発生することです。

この発疹は、触るとザラザラとした硬い盛り上がりを感じます。

通常、かゆみや痛みなどの自覚症状はほとんどありませんが、乾燥によりかゆみが出る場合があります。

毛孔性苔癬の原因

毛孔性苔癬の正確な原因は、現在も完全には解明されていません。

しかし、遺伝的な要因が強く関与していると考えられており、特に常染色体優性遺伝の傾向が指摘されています。

また、以下の要因も関連していると考えられています。

  • ホルモンバランスの乱れ
  • ビタミン欠乏
  • 外的刺激
  • アトピー体質
  • 肥満

毛孔性苔癬が発症しやすい人

毛孔性苔癬は、家族に発症者がいる人や、尋常性魚鱗癬、アトピー性皮膚炎の症状がある人に発症しやすい傾向があります。

また、肥満体型の人は特に症状が目立ちやすいとされています。

男女による発症率の差はなく、感染性もありません。

毛孔性苔癬の治療法

毛孔性苔癬の治療法には、いくつかの方法があります。

保険適用と保険適用外の治療法がありますので、ご自身に合った治療法をご相談ください。

外用薬(保険適用)

毛孔性苔癬の治療の保険適用の外用薬としては、以下の2つが用いられます。

  • 尿素クリーム

  • サリチル酸ワセリン

一般的なのは尿素配合クリームです。

厚くなった角質層に潤いを与え、肌を柔らかくする効果があります。

症状が重い場合には、サリチル酸ワセリンなどの角質溶解作用のある薬剤が処方されることもあります。

外用薬(保険適用外)

毛孔性苔癬の治療の保険適用外の外用薬として、アゼライン酸やトレチノインクリームがあります。

アゼライン酸は比較的マイルドで副作用が少なく、初めての方に適していますが、一部の方に乾燥や刺激感が出ることがあります。

一方、トレチノインはピーリング効果が強く、2週間程度で改善が期待できますが、赤みや乾燥などの副作用も強い傾向があります。

症状に合わせて処方しますので、詳しくは医師にご相談ください。

ダーマペン(保険適用外)

ダーマペンは、髪の毛よりも細い超極細針を使用して皮膚表面に微細な穴を作り、皮膚の再生を促す治療法です。

ピーリング剤と組み合わせることで、古い角質の除去と新しい皮膚の再生を同時に促進します。

この治療により、毛穴に詰まった角質が排出され、コラーゲンの生成も促進されるため、なめらかな肌への改善が期待できます。

治療は個々の肌状態に合わせて振動数や深さを調整します。

ダーマペンについては、以下のページもご確認ください。

ダーマペン

イソトレチノイン(保険適用外)

上記の方法を試しても改善しない場合、当院ではイソトレチノインを処方するケースがあります。

実際にイソトレチノインを処方して症状が改善されたケースもありますので、一度ご相談ください。

イソトレチノインについては、以下のページもご確認ください。

イソトレチノインの適応部位と効果について|顔の重症ニキビだけではない効果

イソトレチノインの代表的な副作用から服用時の注意点について

毛孔性苔癬が発症した際に気を付けること

毛孔性苔癬が発症した際には、日常生活やお肌のケアに気を付けてください。

場合によっては症状が悪化する恐れがあります。

以下で注意点を3つ解説しますので、参考にしてください。

つぶしたり削ろうとしたりしない

毛孔性苔癬が発症した際は、ブツブツを無理につぶしたり、硬いボディタオルで強くこすったりしないでください。

皮膚を傷つけ、傷跡が残る原因となります。また、細菌感染のリスクを高める可能性があります。

患部への刺激に注意

毛孔性苔癬が発症した際は、角栓を無理に押し出したり、カミソリで剃ったり、ひっかいたりするような刺激を避けてください。

また、ボディスクラブの過剰な使用も症状を悪化させる可能性があります。

これらの刺激は、炎症を引き起こしたり、色素沈着の原因となったり、跡が残る可能性があります。

保湿をする

毛孔性苔癬は乾燥によって症状が悪化する傾向があるため、適切な保湿ケアが重要です。

特に入浴後や乾燥が気になるときは、保湿剤を丁寧に塗布して潤いを与えましょう。

まとめ

毛孔性苔癬による見た目が気になる際には、一度クリニックにご相談ください。

健康上の問題はありませんが、見た目は良いものではありません。

ただし、症状によって適切な治療が異なりますので、自己判断は避け、医師による適切な治療をおこなってもらいましょう。

名古屋市昭和区で毛孔性苔癬でお悩みの方はいりなか駅1番出口より徒歩1分の皮膚科・美容皮膚科クリニックのいりなか駅前皮フ科ビューティークリニックまでお気軽にご相談ください。

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