いぼ
いぼは、誰にでも、どこにもでできるものです。
手足に見られるケースがほとんどですが、時には顔にできることもあります。
また、いぼと一重にいっても、ウイルス性と体質によるものがあります。
以下では、いぼの特徴、種類、治療方法について解説します。
そもそも「いぼ」とは?
いぼとは、皮膚にできる小さく突起したものを指します。
これは俗語であり、正式な名称ではありません。
大まかに分けると、いぼにはウイルス性と体質によるものの2種類に分けられます。
以下では、皮膚科でよく見られるイボの種類について解説します。
ウイルス性いぼの種類
ウイルス性のいぼは、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされます。
いずれも同様のウイルスから引き起こされるものですが、具体的には以下のように分けられます。
いぼの種類 | 特徴 |
---|---|
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい) | 表面がざらざらしている・足ふきマットなどから感染するケースが多い |
伝染性軟属腫(水いぼ) | 直径は1~3mm程度で表面がツルツルとしている・皮膚の接触や物を介して感染する |
青年性扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい) | なめらかで平ら・小さなシミに似た突起 |
ミルメシア | 赤くなり圧痛がある・足の裏にできる |
体質によるいぼの種類
ウイルスではなく、体質によってできるいぼもあります。
大きく分けると、以下の2種類です。
いぼの種類 | 特徴 |
---|---|
首いぼ | 軟性線維腫とも言われる・摩擦、加齢、紫外線が原因でできる |
脂漏性角化症 | 別名「老人性いぼ」・中年以降にできやすい |
いぼができる原因
いぼができる原因は、「ウイルス」と「紫外線、加齢」の2つです。
ウイルスの場合は感染の恐れもあります。
ウイルス
ウイルス性いぼの原因は「ヒトパピローマウイルス」というウイルスによる感染です。
このウイルスは、ものを介して感染することもあります。
とくに夏場の、海、プール、温泉などではマットやタオルから感染することがあります。
紫外線・加齢
紫外線や加齢も、いぼの原因になります。
紫外線によるメラニン生成、皮膚細胞のタンパク質の異常増殖によって引き起こされます。
また、加齢に伴う新陳代謝の低下も大きな要因です。
予防と対策には、日焼け対策とターンオーバーの活性化が大切。
日焼け止めなどで紫外線を避け、適切なスキンケアでターンオーバーを促進しましょう。
いぼの主な診断方法
いぼの診断は、問診、視診、触診で行います。
基本的には見た目でわかるので、細かい検査を行う必要はありません。
ただし、悪性のいぼが疑われる場合は病理検査を行う場合があります。
いぼの主な治療方法
いぼの治療方法はクリニックによって様々です。
以下では、主な治療方法の3つを紹介します。
冷凍凝固法
冷凍凝固法が効果的は、液体窒素を使用してイボを凍結し、感染した皮膚を壊死させて除去する方法です。
マイナス196℃の極低温により、ウイルスに感染した部分が死滅し、新しい健康な皮膚が再生します。
治療は約1~2週間ごとに行い、完治までには複数回の通院が必要です。
スピール膏
スピール膏は、特に足の裏のウイルス性いぼの治療に用いられます。
液体窒素による冷凍凝固法が効きにくい厚い皮膚のいぼに対して、スピール膏は角質を柔らかくして剥がす効果があります。
これにより、通常の方法では治療が困難ないぼも治療できます。
具体的な使用方法は、スピール膏を小さく切って患部に貼り、紙テープで固定します。
毎日続けることで、厚くなった皮膚が白くふやけて剥がれ落ち、いぼが徐々に小さくなっていきます。
CO2レーザー
CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)は、いぼやほくろなどの除去に効果的な治療法です。
水分を含む組織に高い吸収率を持つため、皮膚の病変部分を正確に狙って蒸散できます。
従来のメスによる切除と比べて、出血が少なく、周辺組織へのダメージも最小限に抑えられます。
また、液体窒素による従来の処置と比べ、より短時間できれいな仕上がりが期待できます。
顔のいぼ除去の場合であれば、数分の照射で綺麗に取り除くことができ、回復も早いです。
自費診療ではありますが、それほど高価な治療ではないので、きれいにいぼを治したい方は、ぜひご相談ください。
いぼの治療費用
いぼの治療費用は、治療内容によって異なります。
あくまで相場費用ではありますが、冷凍凝固法の場合は保険が適用されるため、600円~800円ほどです。
スピール膏は市販で販売されているものであれば、600円~700円ほどで購入できます。
そのほかの治療内容についての費用は、ご相談ください。
いぼができたときの注意点
いぼができたときは、専門医に診てもらいましょう。
不適切な処置や自己治療が症状を悪化させたり、新たな問題を引き起こしたりする可能性があるからです。
また、いぼの種類や原因によって適切な治療法が異なるため、専門家の診断が必要です。
そのほかの注意点としては、以下が挙げられます。
- いぼを傷つけたり、触ったりしない
- 保湿剤で皮膚を保護する
- 紫外線対策を徹底する
安全かつきれいにいぼを治療するいは、自己判断で対処せず、皮膚を清潔に保ちながら、できるだけ早く皮膚科を受診してください。