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かぶれ

「かぶれ」は、皮膚炎の一種です。

原因物質とされるものとの接触がかぶれを引き起こします。

しかし、原因物質とされるものは人によって異なります。

ここでは、かぶれの種類や原因物質などから、治療方法まで解説します。

 

かぶれとは?

かぶれは、医学的には接触皮膚炎と呼ばれます。

皮膚に刺激物質やアレルゲンが触れることで起こる炎症反応です。

主な症状は、接触部位の湿疹、赤み、かゆみ、水ぶくれ、腫れなどです。

これらの症状は、原因物質が触れた部分に限定して現れるのが特徴です。

かぶれの原因となる物質は多種多様で、自然界に存在するものから人工的なものまで幅広く、個人によって反応が異なります。

湿疹の程度は軽度から重度まで様々で、急性から慢性まで進行することがあります。

 

かぶれが起きる仕組み

かぶれ(接触皮膚炎)が起きる仕組みは、皮膚のバリア機能の低下と関係しています。

通常、皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層構造で外部刺激から体を守っています。

しかし、特定の刺激物質やアレルゲンとの接触により、このバリアが突破されると問題が生じます。

刺激性接触皮膚炎の場合、強い刺激物質が直接皮膚を傷つけ炎症を引き起こします。

一方、アレルギー性接触皮膚炎では、アレルゲンに対する過剰な免疫反応が原因です。

体内で作られた抗体が肥満細胞に付着し、再度アレルゲンと接触するとヒスタミンが放出され、炎症やかゆみが生じます。

また、乾燥やストレスによる皮膚バリア機能の低下も、かぶれを起こしやすくする要因となります。

 

かぶれの種類

かぶれには、大きく分けて3つの種類があります。

  • 刺激性接触皮膚炎
  • アレルギー性接触皮膚炎
  • 光接触皮膚炎

それぞれの特徴について解説します。

 

刺激性接触皮膚炎

刺激性接触皮膚炎は、強い化学物質や物理的刺激が皮膚に直接作用して引き起こされる炎症反応です。

強酸、強アルカリ、灯油などの化学物質が典型的な原因となります。

この種の皮膚炎は、アレルギーとは無関係で、原因物質の刺激強度が十分であれば誰にでも起こり得ます。

症状の出現は、高濃度の刺激物質では数分以内と急速ですが、低濃度の場合は繰り返しの接触により徐々に現れることもあります。

 

アレルギー性接触皮膚炎

アレルギー性接触皮膚炎は、特定の物質に対する免疫系の過剰反応によって引き起こされる皮膚炎です。

原因となる物質(アレルゲン)は、日常生活で頻繁に接触する様々なものが該当し、化粧品、金属アクセサリー、植物、衣類、医薬品など多岐にわたります。

この皮膚炎の特徴は、アレルゲンに対する感作が必要なことです。

初回接触では症状が現れず、繰り返し接触することでアレルギーが成立します。

感作には通常2週間程度かかりますが、半年後に発症することもあります。

一度アレルギーが成立すると、わずかな接触でも数時間から1日程度で症状が現れます。個

人差が大きく、同じ物質でも反応しない人もいます。

 

光接触皮膚炎

光接触皮膚炎は、特定の物質が皮膚に付着し、それに光(主に長波長紫外線UVA)が当たることで発生する皮膚炎です。

この皮膚炎には、「光毒性接触皮膚炎」と「光アレルギー性接触皮膚炎」の2種類があります。

光毒性タイプは、物質が光を吸収して直接皮膚を傷つけます。

一方、光アレルギー性タイプは、光によって変化した物質に対してアレルギー反応を起こします。

症状は光が当たった部分にのみ現れ、赤み、発疹、かゆみ、水疱など、重度の日焼けのような状態になることがあります。

原因物質には、柑橘系精油を含む香水や化粧品、消炎鎮痛薬の貼り薬、さらには日焼け止めの成分などがあります。

 

かぶれの原因となる代表的な物質

 かぶれの原因となる物質は多岐にわたります。

以下は代表的な原因物質とされるものです。

  • シャンプー
  • 育毛剤
  • ヘアピン
  • 化粧品
  • 外用薬
  • 花粉
  • 日焼け止め
  • 口紅・リップクリーム
  • ピアス
  • ネックレス
  • 下着
  • ゴム
  • 洗剤・柔軟剤
  • おむつ
  • 腕時計・ブレスレット
  • 洗剤
  • 靴下・靴
  • 抗真菌外用薬
  • 香水

原因物質がご自身でわからない場合は、皮膚科を受診してください。

 

かぶれの主な症状

かぶれ(接触皮膚炎)の主な症状は、原因物質が接触した部位に集中して現れます。

最も一般的な症状は、かゆみと赤みです。

これに加えて、むくみ、ブツブツ(丘疹)、ただれ、水ぶくれ(小水疱)などが見られることがあります。

症状の程度は、原因物質の種類や接触の程度によって異なります。

刺激性接触皮膚炎では、かゆみよりも痛みを強く感じる場合があります。

一方、アレルギー性接触皮膚炎では、かゆみが主な症状となることが多いです。

長期間症状が続くと、皮膚表面がガサガサやゴワゴワになったり、色素沈着が起こることもあります。

 

かぶれの治療方法

かぶれの主な治療は、外用薬の処方です。

皮膚科で行う方法について解説します。

 

検査:パッチテスト

パッチテストは治療法ではないですが、かぶれを繰り返す場合にはやってみると良いです。

症状が繰り返し発生する場合は、パッチテストを行います。

この検査では、医師が患者の症状や生活環境から推測される複数の物質を、小さなパッチに付けて背中などの皮膚に貼り付けます。

通常48時間後に取り外し、その後の皮膚の反応を観察します。

パッチテストにより、どの物質にアレルギー反応があるかを特定できるため、効果的な治療計画を立てることができます。

 

処方:ステロイド外用薬

炎症を抑えるため、医師の指示のもとでステロイド外用薬を使用します。

かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬の内服も効果的です。

軽度の場合は数日で改善しますが、症状が長引く場合は再度医師に相談することが大切です。

 

市販のステロイド薬を使う際の注意点

かぶれを抑えるステロイド薬はドラッグストアでも購入できます。

しかし、市販のステロイド薬を使用する際は、5日~6日の期間を目安にして、塗り過ぎないように注意してください。

この期間で症状が治まらない場合は、皮膚科を受診しましょう。

 

かぶれを悪化させないためには?

かぶれを悪化させないためには、日常生活での注意が重要です。

まず、かゆみが強い時は入浴を避けましょう。

特に温泉は刺激が強いので控えてください。

最も重要なのは、患部を掻かないことです。

掻くと一時的に気持ちいいかもしれませんが、かゆみを強め、炎症を悪化させます。

さらに、掻き壊すことで細菌感染のリスクも高まります。

 

かぶれの予防方法

かぶれの予防には、原因物質を特定し、それに触れないようにすることが最も重要です。

原因が不明確な場合でも、かぶれの可能性がある物質との接触は避けましょう。

継続的な接触が避けられない場合は、手袋や適切な衣類で肌を保護します。

次に、皮膚を清潔に保つことが大切です。

汗をかいたらこまめに拭き取るか、シャワーで洗い流しましょう。

ただし、過度の洗浄は避け、適度な清潔さを保ちましょう。

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